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自宅の安全性を守るために「クマvs贈与税」

残暑の厳しい日々が続く中、自宅は誰にとっても安心できる空間のはずです。
しかし、全国で相次ぐクマの侵入による住宅被害のニュースを受けて、
岩佐税理士は住居の「金銭的安全性」についても思いを馳せ、
想いを綴っていただきました。
目次
1. クマ被害が示す自宅の脆さ
2. 贈与税による金銭的リスク
3. 住宅取得等資金の贈与特例と床面積要件
4. おしどり贈与と全体最適の視点
5. まとめ
1.クマ被害が示す自宅の脆さ
住宅での被害が各地で続発
残暑がまだ厳しい日々が続いていますが、熱中症対策の一つは、外出を控えることですね。
なぜなら、自宅は誰にとっても安全空間だからです。
しかし、本来最も安全であるはずの自宅にクマが侵入し、襲われるという被害が今年に入り目立っています。
例えば、4月には長野県でクマが住宅1階のガラス戸を割って侵入し、2階に上がって男女3人が重軽傷を負いました。
襲われた女性は「昨日一睡もできなくて、目をつむるとクマが横にいる。
この辺でクマなんて出たことないし、こんな時期に見たことなんてなかったのに」と語っています。
この後もケガ人は出ませんでしたが、宮城県で七面鳥が食べられたり、岩手県で台所の食糧が荒らされるなど、住居でのクマ被害は続発。
環境省によれば、今年4~7月までにクマに襲われてケガや死亡した人は全国で55人にのぼり、出没件数も前年より1.2倍以上増えています。

2.贈与税による金銭的リスク
身体の安全性と並ぶ金銭的安全性
このように、クマによって住居の【身体的安全性】が損なわれる一方で、贈与税によって住居の【金銭的安全性】が損なわれるケースもあります。
例えば、二世帯住宅のケースです。
二世帯住宅の建替えを行う場合、相続税対策のための「小規模宅地の特例」を見据えて共有名義で登記することも多いでしょう。
その際に【住宅取得等資金の贈与の特例】を使って、親から子にリフォーム資金を贈与することがあります。
通常は年間110万円を超える贈与に課税されますが、この特例を活用すればリフォーム費用も非課税となる場合があります。

3.住宅取得等資金の贈与特例と床面積要件
非課税限度額と主な要件
この特例は、省エネ等住宅なら1,000万円、それ以外の一般住宅は500万円まで非課税です。
二世帯住宅のリフォームの場合、さらに以下の要件があります。
A 対象となるリフォーム工事
① 建物の大きな増築や改築、大規模な修繕や模様替え
② 部屋やキッチン、浴室などの床や壁を全面修繕する工事
③ バリアフリーのための改修工事
④ 省エネ性能を高める改修工事
B 受贈者(贈与を受ける側)の要件
① 親や祖父母からの贈与であること
② 贈与を受ける年の1月1日時点で18歳以上であること
③ 贈与を受ける年の所得が2,000万円以下であること
④ 贈与翌年3月15日までに全額を充ててリフォームを完了すること
⑤ 贈与翌年3月15日までに該当の住宅で居住を始めること
C 住宅の要件
① リフォーム後の床面積が50㎡以上240㎡以下
② 床面積の2分の1以上が居住部分であること
③ 「増改築等工事証明書」で一定基準を満たすこと
特に注意が必要な床面積要件
前項の中でも特に注意すべきは床面積要件です。2つの要件があります。
① 「50㎡以上240㎡以下」について
共有名義であっても建物全体の床面積で判定されます。
例えば260㎡の二世帯住宅を親子で2分の1ずつ登記した場合、1世帯当たりの床面積は130㎡ですが、判定は全体260㎡で行うため特例は適用できません。
② 「2分の1居住要件」について
家全体の床面積のうち、子世帯の居住部分の割合で判定します。
例えば230㎡の二世帯住宅で子世帯の居住部分が100㎡なら、全体の2分の1を満たさず特例は適用できません。

4. おしどり贈与と全体最適の視点
制度の概要と誤解
その他のケースとして、【おしどり贈与】があります。
婚姻期間20年以上の夫婦間で、住居または住居取得資金の贈与について最大2,000万円まで非課税になる制度です。
基礎控除110万円と合わせれば、実質2,110万円まで贈与税ゼロにできます。
ただし、よくある間違いは「贈与税だけを見て有利と判断する」ことです。
その結果、贈与後に思わぬ税金に苦しむケースがあります。
相続との比較と全体最適
住居の場合、生前に急いで「おしどり贈与」を使うよりも、相続発生後に「配偶者の税額軽減」を使った方が有利になる場合があります。
この制度では、1億6千万円または法定相続分まで相続税がゼロになります。
さらに、不動産取得税(贈与4%/相続なし)、登録免許税(贈与2%/相続0.4%)といった移転コストを含めると、かえって不利になる場合もあります。
贈与か相続かは【部分最適】ではなく、【全体最適】の視点で判断すべきです。
| 贈与 | 相続 | |
|---|---|---|
| 不動産取得税 | 4% | なし |
| 登録免許税 | 2% | 0.4% |
(注)課税標準:固定資産税評価額

5. まとめ
本来は安全であるはずの住居であるにもかかわらず、無知であるがゆえに思わぬ税金がかかってしまうのはもったいないことです。
金銭的安全性が損なわれることのないように、税理士や不動産会社にしっかり事前相談して下さいね。
| 当ブログを運営している三和都市開発は、 税理士とのパートナーシップを持っています。 相続に関するお悩みや、不動産資産の悩みについて お気軽にご相談ください。 |
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【当ブログ執筆者】
TFPグループ
税理士法人トップ財務プロジェクト
社会保険労務士法人トップ労務マネージメント
税理士 中小企業診断士 代表兼CEO 岩佐 孝彦
TEL/06-4796-7771 mail/iwasa@tfp-j.com
公式サイト/www.tfp-j.com
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