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【争族の火種を取り除く】寄与分&特別受益とは?〜税理士による"もめない相続"のポイント解説〜

【争族の火種を取り除く】寄与分&特別受益とは?〜税理士による

2024年、年始に岩佐税理士が感じた"家族の絆"。

相続が"争族"にならないために、
「寄与分」と「特別受益」についてわかりやすく解説していただきました。


目次
1. 2024年、能登半島をおそった地震
2. 家族の絆の大切さ
3. 脱・争族を目指すには
4. 生前贈与はバランスよく


 

1. 2024年、能登半島をおそった地震

損失は単なるデータでは測れない

能登半島地震で被災された方々に心よりお見舞い申し上げます。

野村総合研究所によれば、現時点での経済的損失額は約8,000億円。
東日本大震災の約5%程度。

東日本大震災と比べて、なぜ経済的損失は小さいのでしょうか?
今回は建物の被害として住宅が中心で、
工場及びサプライチェーンへの影響が比較的小さいからだそうです。

次のような事態が生じる可能性は低いと考えられています。

● 原子力発電所の事故 ⇒ 電力供給に大きな制約
● 自動車部品の供給が停止 ⇒ 全国的に自動車生産に打撃


このように見れば、能登半島地震の「経済的損失」は比較的小さいと考えられています。

しかし、家族を失った遺族の方々の悲痛や精神的苦痛は、
数字で測定することはできません。

目に見えない損失はとてつもなく大きいはずです。


 

 

2. 家族の絆の大切さ

税理士の立場で、
さまざまな"争族"を見てきました。

今回の地震は元旦の親族一同が集まり、団らんのひと時に起こりました。
ご心痛をお察し申し上げます。

また、被災地でお亡くなりになられた方のご冥福をお祈り申し上げます。

私達が今回の地震で再認識させられたのは、
“家族の絆”の大切さではないでしょうか。

しかし、今年創業20周年・税理士登録27年を通じ、
数多くの相続に携わってきた者の立場として
“争族”の場面に遭遇するのは誠に残念に思います。

傍から見て、争族というのは決して美しいものではありません。

年が明け、相続大増税が正式に施行になり、
生前贈与加算年数が7年に延長されることになりました
が、
節税対策ばかりに気をとられないようにしましょう。

節税対策が施された相続というのは所詮"ベター"にすぎず、
"ベスト"とは言えません。

ベストなのはやはり“争族”のない相続でしょう。

 

3. 脱・争族を目指すには

【寄与分】と【特別受益】について
知っておきましょう。

相続対策で本当に優先すべきは"脱・争族"、
つまり、"もめないこと"です。

よって、相続財産の大小に関わらず、きちんと
対策を立てておくことが必要です。

年始に際し、まずは“争族”を回避する。
そこからスタートしてください。

相続の際の遺産分割に関して、不満を感じやすいのは以下の3つです。

① 親の介護をしている。
② 無報酬で家業を手伝っている。
③ 相続以前に生活費や住宅の購入費を援助してもらう等、
特定の相続人が特別な利益を受けていた。


上記3つで法的にポイントとなるのは【寄与分】と【特別受益】です。


【寄与分】の具体例

Aさんは個人事業で商売をしていました。
Aさんの奥様はすでに他界していて、長男と次男がいました。

自宅に同居しAさんのお店を手伝っていたのは、次男とその奥様でした。
次男の奥様は、無報酬でAさんの商売を手伝っていました。

しかしある日、Aさんが突然病気で倒れ、日常生活もままならない状態になってしまいました。
次男は代わりに商売を切り盛りし、奥様がAさんの介護をしていました。

やがてAさんが亡くなり、遺産分割の話になりました。
Aさんの相続財産は自宅兼店舗の3,000万円の不動産と3,000万円の預貯金でした。

遺言書はありませんでしたが、Aさんとしては、
次男に当然商売を継いでほしいと願っていたはずです。

長男は一流企業のサラリーマンとして働き、持ち家もありました。

Aさんが倒れてからも1~2回見舞いに来た程度で、
積極的に看病を手伝おうとしませんでした。

しかし遺産分割に際して、長男は「兄弟で平等に分けよう」と言い出したのです。

こうした長男の意向に納得できないのが次男です。

これは当然でしょう。
次男夫婦は無報酬で家業を手伝い、自宅で介護をし、
自分の貯金を取り崩してまで介護に必要なものを取り揃えていたのです。

仮に次男の奥様が法定相続人であれば、
法定相続人に加えて【寄与分】が認められます。

しかし彼女は法定相続人ではないため、寄与分はおろか、
法定相続分すらもらうことはできません。

何とか相続分を増加しようと、次男は弁護士を立てて交渉を継続しました。
次男は「遺言書さえあれば、こんな泥沼の争いを避けられたのに…」と悔やんでいました。

結果として次男の言い分は認められましたが、兄弟間で禍根が残ったのは言うまでもありません。
その後兄弟はほぼ絶縁状態になりました。

なお、寄与分には
「介護したことで相続財産を維持、または増加させた」という明確な事実が必要になります。
そのため、単に親の介護をしただけでは寄与分はもらえません。


このため、親の介護をした法定相続人が
他の相続人と同じ財産配分になってしまいがちです。

このようなケースも、争族の火種になりやすいので、注意して下さい。


【特別受益】とは

子供の誰かが親と同居している場合です。
親が認知症などで要介護状態になったために、親の生活費を確保するために、
子供が親の口座から引き落としているとします。

この時、領収証が無いかぎり、
そのお金は他の相続人から【特別受益】とみなされる恐れがあります。

【特別受益】を得ている相続人がいる場合、
もらったお金を相続財産に含めて、それぞれ分配することになります。

つまり親のためではなく、自分のためにお金を使ったのではないかと
他の兄弟や姉妹から疑われやすいということです。

こうしたことも争族の原因になりがちなので、
親の口座からお金を引き落とす時には、きちんと記録を付けておく、
または領収証を保管しておくことが大切です。


また、被相続人の生前にまとまった額の住宅購入資金を贈与してもらっていたり、
孫に対して多額の学費を援助してもらっていたりする場合も、
【特別受益】とみなされる可能性があります。


 

4. 生前贈与はバランスよく

親みずから"争族”の種をまかないように
慎重に行いましょう。


年明けから生前贈与加算年数が7年に延長になったため、
今後は積極的に生前贈与を行う人もさらに増えると思われます。

そんなとき、相続人みんなのことを考えてバランスよく贈与を行った方が
争族防止になります。

子供や孫など特定の相続人に利益を贈与したときは、
その利益分を相続財産に含めておくことが重要です。

そして、贈与として財産を分けたことを、
きちんと遺言書に残しておけば完璧でしょう。

今回の能登半島地震を教訓に、家族の絆の大切さを再認識し、
年始に際して争族の火種は完全に取り除いておきましょう。


当ブログを運営している三和都市開発は、
税理士とのパートナーシップを持っています。
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お気軽にご相談ください。
 


 


【当ブログ執筆者】

TFPグループ
税理士法人トップ財務プロジェクト
社会保険労務士法人トップ労務マネージメント
税理士 中小企業診断士 代表兼CEO  岩佐 孝彦
TEL/06-4796-7771    mail/iwasa@tfp-j.com
公式サイト/www.tfp-j.com


 

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