- ホーム
- 三和都市開発のブログ
- [認知症]高齢親との話し合い〜今からでも早くない"ユマニチュード"のすすめ〜
[認知症]高齢親との話し合い〜今からでも早くない"ユマニチュード"のすすめ〜
高齢の親の家へ帰省したときに、
考えの固い親がもどかしくなって
ついついキツく当たってしまうことはありませんか?
将来の認知症リスクに備えた相続や、
財産を守るための家族信託の話がしたくても
どうやって話せば受け入れてくれるか分からない...
そんな風に話す方はたくさんいらっしゃいます。
今回は視点を変えて、
高齢の親との人間関係について考えるきっかけになればと思い
フランス国内では広く普及している"ユマニチュード"について
簡潔にまとめました。
特に親の将来や介護について気になっている方に、
知ってほしい内容になっています。
目次
1. ユマニチュードとは
2. 見る、話す、触れる、立つ
3. 強制的な行いはしない
4. ユマニチュードについてより詳しく知りたい方は
5. ゴールデンウィークや、お盆など家族が集まる時に
1. ユマニチュードとは
"人は、他の人に人であると認められないと生きていけない"
ユマニチュードとは「人間らしさを取り戻す」という意味の造語です。
ユマニチュードはフランスで生まれた新たな介助技法のことで、
体育学の専門家であるイヴ・ジネストさんと、ロゼット・マレスコッティさんという方が
開発しました。
フランスではすでに35年前から認知症患者に用いられ、
さまざまな状況に応じて150もの技術が生み出されています。
人間らしさを尊重し続ける
認知症の人は、相手が優しい人かどうかを
「知性」で判断できないといわれています。
その代わり、そのときの「快」「不快」という感情を頼りにして、
喜んだり、泣いたり、怒ったりして生きています。
ユマニチュードでは、そんな人との人間関係を築くために
認知症の人が持っている感情に対して”優しさ"をしっかりと
伝えようとします。
この"優しさ"を伝える手法について、
ユマニチュードでは4つの柱を挙げて技術化しています。
2. 見る、話す、触れる、立つ
人間関係を続けていくための"技術"
人間らしさを尊重する関係を作る・取り戻すには、
「見つめる」「話す」「触れる」「立つ」という4つの行動が
大切だとされています。
ユマニチュードでは、これらは、介護する方にとっての"技術"であると
定義されています。
・目線は相手の正面から水平に、近い距離で長く話す。
・優しさを込めた言葉を、大げさともいえる笑顔でしっかり伝える。
・ケアする内容を伝え、実況する。
・肩や手、背中を優しくなでたり、触ってあげる。
などなど...
口で言うのは簡単ですが、上手に実践するには技術が要りそうなことですね。
生きる=動くこと
また、ユマニチュードでは、生きるとは「動く」ことだと定義しています。
反対に言うと、「動かないで!」というのは、死を意味することになります。
そのため、1日すこしでも「立つ」「立つケアをする」ことを大事にします。
立つということには、生理学的な効果のみでなく、
その人の尊厳も保たれるという考えがあるのです。
3. 強制的な行いはしない
お互いの人間らしさを認め、互いに役に立つ人間関係を築きながら、
その人に適したケアのレベルを考え実践していきますが、
強制的ケアを無くしていくこともユマニチュードの特徴です。
たとえば、睡眠を妨げない、手をいきなり掴まない、
上から押さえつけないなどといったことが挙げられます。
介護をするうえで、どうしても強制的ケアが発生することはあります。
その際も、人間同士の良い関係を保とうとしながら、
「強制的」であることを無くしていくことを目指します。
4. ユマニチュードについてより詳しく知りたい方は
ユマニチュードの具体的な手法や実践方法については、
以下のサイトや書籍で知ることができます。
・日本ユマニチュード学会
・書籍「ユマニチュード入門」医学書院
日本でも、ユマニチュードは介護士の方の間で認識の広がりをみせています。
ただし、充分に実践できるかどうかは、
人手不足を解消しないと難しいといった声もたくさんあがっているようです。
5. ゴールデンウィークや、お盆など家族が集まる時に
今回ユマニチュードをご紹介したのは、
高齢の親がまだ元気なうちにも実践してよい内容だと
筆者が感じたからです。
というのも、相続や家族信託、実家をどうするかといった物事はもちろん大事ですが、
それ以上に「家族としての人間関係」が壊れてしまわないことのほうが
ずっと大事だと思うのです。
今のうちから、お互いを尊重できる関係を維持するために、
実家に帰省した際には「見つめる」「話す」「触れる」「立つ」...
こんなユマニチュードを、さりげなく行ってみても良いのではないでしょうか。
家族としての人間関係を大切に思う気持ちが伝われば、
きっと相手から返ってくるものがあるのではと思います。
実家の相続、売却、家族信託での財産管理など 不動産という財産の管理についてお悩みの方は 当ブログ運営の三和都市開発へぜひご相談ください。 |
![]() |
このブログを読まれた方におすすめの記事
▶︎「意思能力」とは?不動産売却が無効になる認知症〜家族信託や遺言で対策を〜
▶︎ 親の認知度チェックリスト 認知症の「早期発見」をこころがけて
▶︎【40代が最多/親の介護のスタート】相続や税金についてあとで後悔しないために
▶︎「家族信託」のすすめ〜認知症になる前にしたい財産管理〜