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【城東区・東淀川区で道路冠水】大阪府の水道管の状況 〜自宅前道路の水道管を調べる方法〜

老朽化した水道管の破裂、漏水による道路陥没のニュースは
今年に入ってからも増えてきています。
大阪府下では、令和7年5月に城東区、令和7年7月に東淀川区で
大規模な道路冠水が起こりました。
今回は、大阪府の水道管はどのようなものが使われていて、
どれくらい古いのかを知る方法や、
自宅前の水道管に関する情報はどのように取得できるかをお伝えします。
目次
1. 令和7年5月 大阪市城東区の場合
2. 大阪府で使われている水道管の種類
3. 大阪府の水道管状況について
4. 自宅前の水道管を調べるには
5. 安全を次代へつなぐには
1. 令和7年5月 大阪市城東区の場合
強度が高い水道管でも事故になってしまった
令和7年5月10日の午前7時30分ごろ、
大阪市城東区東中浜5丁目で水道管の漏水事故が発生しました。
破損した水道管は約60年前(昭和41年)に敷設されていたもので、
材質は一般的に強度が高いとされているダグタイル鋳鉄管だったそうです。
このダグタイル鋳鉄管の使用可能年数は60年とも80年とも言われていますが、
周囲の土壌が元から水分を多く含んでいた可能性があり、
強度の高い管であっても、想定以上の腐食が進んでいたものと分析されています。
この事故の影響は以下のとおりです。
・にごった水が出てくる
・付近の敷地で浸水被害が起こる
・市道が通行止めになる
この事故の前から、国土交通省から「緊急輸送道路(※)下に埋設されている鋳鉄管」への調査要請がなされていますが、
大阪市はそれだけではなく土壌環境や敷設年数を考慮した調査も行うことを決め、
「緊急輸送道路下のやや腐食性の高い土壌に埋設されている59年以上経過したダグタイル鋳鉄管」についても2025年6月末までに調査すると発表しました。
※緊急輸送道路とは…
地震などの大規模災害発生直後から、避難・救急・医療活動、物資の供給などを円滑かつ確実に行うために、緊急車両の通行を確保するための重要な道路のこと。

2. 大阪府で使われている水道管の種類
大阪市城東区で破損した水道管はダグタイル鋳鉄管というものでした。
これは一般的に強度が高いとされている管になりますが、
他にはどのような水道管が使用されているかを下記にてご説明します。
大阪府で使用されている水道管
※耐用年数については下記を参照しています。
厚生労働省:参考資料 実使用年数に基づく更新基準の設定例
▼ 鉄製の管は古くから水道管として使用されており、主に排水管や幹線管路として利用されています。
⚫︎ 鋳鉄管
明治時代から使用が始まった、歴史の古い配管になります。
強度・硬度が高く腐食にも強い素材とされてきましたが、脆さもあり地震の影響を受けやすいです。
耐用年数 / 約40年〜50年
⚫︎ ダグタイル鋳鉄管
鋳鉄管の弱点であった「伸びが小さく粘り強さに欠け、衝撃に弱い」点を改良し、
強度が高まったのがダグタイル鋳鉄管です。
昭和30年代から普及が始まり、現在の主流となっています。
ダグタイル鋳鉄管の中には、耐震継手などでより強い対策がなされたものもあります。
耐用年数 / 約60年〜80年
⚫︎ 鋼管
耐圧性が高く、衝撃にも強いといわれていますが、
錆びやすいため防食処理が必要です。
耐用年数 / 約40年〜70年
⚫︎ 鉛管
過去に広く使用されていましたが、健康リスクが指摘され現在では使用禁止です。
古い建物ではまだ残っているところがあり、塩化ビニル管やポリエチレン管などへの更新が求められています。
耐用年数 / 約40年
国土交通省:鉛製給水管の現状と対策について
▼ 近年では下記のような、耐久性・耐震性・施工性・衛生面を重視した材質が選ばれています。
⚫︎ 硬質塩化ビニル管
鉄製の管より抵抗が少なく腐食にも強いという特徴があります。
ただし、耐衝撃性は弱く、温度変化による伸縮対策も必要とされます。
耐用年数 / 約40年〜60年
⚫︎ ポリエチレン管(PE管)
軽量で柔軟性が高く、地震による地盤の変動や地盤沈下にも対応できます。
錆や腐食もしにくく長寿命であるとされています。
耐用年数 / 約40年〜60年
▼ その他にも下記のような管があります。
⚫︎ コンクリート管
外圧に強い剛性管で、主に地中埋設管などに使用されています。一般的な家庭用に使われることは少ないです。
耐用年数 / 約40年
⚫︎ ステンレス管
錆びにくく、長期にわたって使用でき、耐熱性や低温特性もあり、衛生的な用途にも適しています。
耐用年数 / 約40年〜60年
⚫︎ 石綿管
アスベストとセメントを混ぜて作られた管で、昭和30〜40年代の高度成長期に広く使われました。
しかし健康被害と強度の問題から昭和60年に製造が中止されました。
耐用年数 / 約40年
国土交通省:水道用石綿セメント管の撤去作業などにおける石綿対策の手引きについて

3. 大阪府の水道管状況について
どのような管が、どれだけあるかを知るには
大阪市立中央図書館にて「令和4年度 大阪府の水道の現況」という冊子が保管されています。
貸し出し禁止書籍ですが、許可を経ての複写は可能です。
発行は大阪府健康医療部生活衛生室環境衛生課によるもので、
令和4年度の大阪府下における水道管の敷設状況や、法定年数である40年を超える管がどの地域にどのくらいあるかが記されていました。
(年度ごとに更新されているようですが、筆者が調べたところでは令和4年度版が最新でした。)
以下に、その一部を引用します。
大阪市に絞りましたが、実際には大阪府内の全ての地域の調査結果が記されています。
P45 管種別延長(全管路)
大阪市
・鋳鉄管 / 351,628m
・ダグタイル鋳鉄管 / 耐震適合性のあるもの 1,899,597m 耐震適合性のないもの 2,418,301m
・鋼管 / 111,954m
・石綿管 / 記載なし
・硬質塩化ビニル管 / 439,619m
・コンクリート管 / 199m
・鉛管 / 記載なし
・ポリエチレン管 / 252m
・ステンレス管 / 286m
・その他 / 543m(判別不能な管など)
P50 20年経過管・40年経過管の状況
大阪市
・20年を経過した管の割合:76.5%
・40年を経過した管の割合:52.4%
P51 管路の新設・更新・撤去延長及び鉛給水管の状況等
大阪市
・更新率:1.15%
・鉛給水管の残存件数:19,659件(残存率:1.62%)
引用:「令和4年度 大阪府の水道の現況」より、「管種別延長(全管路)」「20年経過管・40年経過管の状況」「管路の新設・更新・撤去延長及び鉛給水管の状況等」
4. 自宅前の下水道を調べるには
情報にバラつきがみられるが、
詳しく公表している市町村もある
下水道台帳を調べると、自宅前の道路下にある下水道がどのようなものかを知ることができます。
下水道台帳は各市町村の役所のほか、インターネットでも閲覧可能です。
市町村によって載っている内容が違っており、
ある市では管の設置年の記載があるが、こちらの市ではそこまで載っていないなど
情報にはバラつきがあります。
また、管の材質についても掲載にバラつきがあり、さらに材質の表記が「DCIP」などのアルファベットで記載されており分かりづらい場合もありますのでご注意ください。(DCIP=ダグタイル鋳鉄管)
気になる方は、一度インターネットで閲覧してどんな管が通っているのか調べてみてはいかがでしょうか。
また、さらに情報が欲しい場合は市町村役場へ直接問い合わせると良いでしょう。
・大阪市 下水道台帳【大阪市建設局 下水道台帳ホームページ】https://www.gesuikanro.city.osaka.lg.jp/emap/html/bbs/gmap.jsp?
・吹田市 下水道台帳 【マップなび すいた】公共下水道台帳図https://webgis.alandis.jp/suita27/portal/main/
・豊中市 下水道台帳【下水道情報マップ】https://gis.city.toyonaka.osaka.jp/webgis/gesuidou.html
その他の市町村でも「下水道台帳」で検索すると出てきます。

5. 安全を次代へつなぐには
先人の財産を今こそリノベーションして使っていくとき
大阪市立中央図書館で調べ物をした際、加藤英一さんという方の「だれも知らない 下水道」という本を見つけました。
初版発行日は1993年とかなり古いものではありますが、ある一節が目に飛び込んできました。
…技術進歩の著しい分野では10年前と現在とでは様相がかなり違います。
耐用年数が50年もあるような地下パイプラインは20〜30年後には全く不用になっているかもしれません。
そうなれば、地下パイプラインはむしろ邪魔です。
放っておけば傷んで道路が陥没してゆくでしょう。それは、21世紀の都市計画を妨害したり、都市生活を脅かすものになりかねません。
子孫への財産だと思い込んで借金までして作った下水道が、子孫にとってお荷物だったという…
「だれも知らない 下水道 」加藤英一 著 p221 引用
まさにその30年後が今であり、懸念されていたことは予想通りに起こってしまいました。
都市計画の難しさを実感するとともに、
先人が築き上げてきた「住みやすい街や家」を今こそリノベーションし、
持続可能にしていくことは我々の使命であると改めて感じました。
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